オフィスワークの傍らには愛犬の姿

週明けの月曜日、午前中はいつもよりも忙しく、
パソコンの画面を見ながら一つひとつ業務をこなしていく。
ようやくひと段落して、ふぅーと息を吐きだすと
私の足元で寝転ぶ愛犬の姿が目に入る。
その視線に気づいたのか、それともお腹が空いてきたのか
急にソワソワし始め、私にかわいい顔を向けてくる。
「残念。ご飯はまだだよ(笑)」

私が愛犬と出社するようになったのは、
12歳を迎え、健康面に心配が出てきたからだ。
「誰もいない部屋で何かあったら……」
そんな不安な気持ちを上司に伝えると
「それなら会社に連れて来ればいい」と言ってくれた。

犬好きの友人たちからは
「犬と同伴出社ができるなんて、なんて恵まれた環境なんだ！」
と口々に言われ、たいそう羨ましがられた。
欧米では「ペット同伴OK」の会社も増えているそうだけど、
日本の会社ではそうそうないだろうな。

初めて愛犬を連れて出社した日は、私のほうが緊張していたかもしれない。
もともと人見知りの性格なので、スタッフもたくさんいるこの環境に
果たして慣れるだろうか。
周りのスタッフたちの迷惑にならないだろうか。
次々と不安が頭をよぎる。
ところが、いざ、会社に着いてみると人見知りの性格はどこへやら。
犬好きのスタッフに囲まれて、とてもうれしそうな顔をしているではないか。

今やすっかりオフィスのアイドルとなった愛犬。
上司からは、「あの子が来るようになって、社内の雰囲気が良くなったね」
と言ってもらえた。

スタッフに会えない週末はちょっぴり寂しそうだが、
休み明けの朝は打って変わってハイテンションだ。
その極端すぎる愛犬の姿を見て、もしかして、
会社を「家」だと思っているのではないだろうかと不安になってくる。
そこまで順応しなくてもいいのに。

でも、キミが楽しいならそれでいいか。