犬飼いの夏は早起きが欠かせない

夕べも蒸し暑くてなかなか寝付けなかった。
もう少し寝ていたいけど、窓の外でセミの声が「早く起きろ」と聞こえてくる。
しかたなく起き上がる私の動きを素早く察知し、愛犬は大きく尻尾を振る。
はいはい、暑くならないうちに散歩に行こう。

夏の朝はとても早い。
涼しいうちに散歩に行こうとすると、どうしても早朝になってしまう。
歩いている人の姿はほぼなく、見かけるのは同じような犬連れの人だけ。
「おはようございます」と声をかけあい、心の中でお疲れ様ですとそっと付け足す。

今日も暑くなりそうだ。
少し歩いただけでもう汗がしたたり落ちてきた。
なるべく日陰を見つけて歩こうとするけれど、
こちらの都合なんてお構いなしに、
愛犬は足取りも軽く日なたへと引っ張っていく。
なかなか思う通りにはいかないものだ。
あちこち興味深そうに歩く愛犬に従って、今日も馴染みの道をひたすら歩く。

ようやく家の近くまで来た。あの先の角を曲がれば、もうわが家だ。
帰ったら、まずはシャワーを浴びよう。
いや、その前に愛犬にたっぷり水を飲ませなくては。
あと朝ごはんも用意しないと。
毎日美味しいご飯を食べているせいか、愛犬は夏バテ知らず。
今日もきっと『美味しい！』と喜んでいっぱい食べてくれるだろう。

その後はちょっぴりクールダウンしよう。
愛犬と一緒にクーラーのきいた涼しい部屋で、昼寝ならぬ、朝寝を楽しむのだ。
早起きしたのだから、それくらいは許されるはず。
そよそよと涼しい風を受けながら、愛犬のふさふさとした柔らかい体を撫でる。
私の大好きな夏のひと時だ。