初めての土地で愛犬と迎えるお正月

昨年、この地域に引っ越してきたから、今日はここで迎える初めてのお正月だ。
夕べは珍しく夜遅くまで起きていたので、
それに付き合った愛犬はまだボクの布団の上で寝ている。
ボクはその間に買ってきたおせちをテーブルに並べ、一人分の雑煮を作り始める。
するとダシの匂いにつられたのか、愛犬が目を覚ました。

待ってろ、今日はキミも特別メニューだ。

その言葉を聞いて、愛犬は大きく尻尾を振って喜ぶ。
この嬉しそうな顔が見たくて、愛犬が好きそうなものや
美味しいものをついついあげすぎてしまうのだが、
今日はお正月だから大目にみてもらおう。

それにしても去年はいろいろなことがあったなぁ。
いきなり知らない土地に来たから、キミも大変だったんじゃないか？
この辺りは、都会と比べると街灯も少ないから、
日が暮れるとあっという間に真っ暗になるし、
人通りも少ないから、最初は心細く感じたよね。
でも、この静かさに慣れてくると、
都会では気付かなかった音を耳にすることができた。
たとえば、朝から鳴く鳥の声や夕方から始まるカエルの大合唱、
虫たちが奏でるきれいな音色もあったし、
この間なんて降り積もる雪の音も微かに聞こえてきたね。
そうだ、遠吠えする犬の鳴き声も聞こえて、キミはちょっと驚いていたね。
振り返るとそれなりに賑やかだったのかもしれないね。
家の中ではキミの微かな息づかいも聞こえてきて、
改めて、ボクにとってキミはかけがえのないパートナーなんだと思ったよ。

あけましておめでとう。また今年も1人と1匹で元気に楽しく過ごそうな。

さて、ご馳走をたくさん食べた後は近くの神社に初詣に行こう。
それからいつもの散歩コースを歩いて、近所の人たちにも挨拶に行こう。
キミのファンだという人たちが待っているぞ！