猫の過ごし方で見る季節の訪れ

猫は気持ちのいい場所をよく知っている。
よくそんな場所を見つけたね！と思うくらい
家の中のあらゆる場所にお気に入りを作る天才だ。

長かった梅雨が明け、ジリジリと夏の暑さが到来すると
猫は家の中のひんやりスポットへいそいそと移動する。

ときには玄関タイルの冷たさに身を任せ、
ときには風の抜けるお風呂場で涼む。
そして、廊下やリビングのフローリングの上で
なんとも暑そうな毛むくじゃらのお腹を上にひっくり返り
あられもない姿を披露する。

今日も愛猫が床の上に落ちていた。
そこからは、今にも「暑い～、暑い～」と
愛猫の嘆き声が聞こえてきそう。

人間だってこの蒸し暑さは体に堪えるのだから、
体中を毛で覆われている猫も、
この暑さはきっとツライよね。
今は猫用のひんやりグッズもたくさん出ているから
せめてもの慰めにと思って買うのだけど、
なかなか人間の思い通りには使ってくれない。
まあ、それが猫ってものなのだけど。

今も空調機の風が緩やかに届くリビングのフローリングの上で
ごろごろと寝転んで一息ついている。
そっと近づいて、私もその横にごろんと寝転ぶ。
ああ、確かにここは涼しいね。
決めた！今日はここでだらだら過ごそう。
と思ったら、愛猫はすっと起き上がり、スタスタと移動……。
どうやら、愛猫にとって一番暑苦しいのは、
飼い主の私だったみたい。